浮体国土の提案 Farm Float 2015(2009年)
NPO地球倶楽部ネットワーク2000は温暖化により水没の危機にあるキリバス共和国に、“ひょっこりひょうたん島”で助けに行く計画を立てた。そして名称の著作権者の一人である井上ひさし氏の了解を得ると共に、日本大学理工学部海洋建築工学科と共同プロジェクトを立ち上げた。条件は2015年までに確立できる技術だけで構成すること、世界最先端の海洋研究所として機能できる浮体であること、の2点だ。NPO地球倶楽部ネットワーク2000の協力建築家グループの一員であり、日本大学の関係者でもあった白江が、計画に参加させていただいた。フロート面積20万m²、製作費2,000億円を想定している。
2009年5月22日、キリバス共和国のアノテ・トン大統領をお迎えし、大型フロート(浮島)の技術を使い、人をはじめとする様々な生き物の生活の場となる人工大地を創ろうとする2つのグループが、お互いの情報を広く公開し、衆知を集め共有する課題を解決する目的で「ニュー・フロート・アイランド シンポジウム」が開催されました。
施設稼働のエネルギーは、ゼロ化石エネルギー化、長期的にはネットゼロエネルギー化を目指す。
エネルギーは、水素を主体に、太陽光発電、風力、波力、雑食性ごみ発電などを使う。エネルギーの変換には燃料電池を使う。
フロートの位置を決めるためのスラスターや、車輌や船舶の動力、この施設の主要な汎用エネルギーは水素と電力を利用する。海藻オイルを製造し船舶や航空機の燃料に使用する。将来はこのオイルから炭素繊維を製造し、フロートをCFRCに置き換えて長期的な炭素固定を行う。フロート増設が空気中の二酸化炭素削減につながり、施設製造時に発生した二酸化炭素を回収し、ネットゼロエネルギー化を目指す。水素と海藻オイルは輸出も想定する。
生態系に対して自然の島のように機能し、生態系に対して透明性が高いフロート計画